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静岡へ見学に行ってきました。
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投稿者 Naoya Fujiwara 時刻 22時53分 トーク | 固定リンク Tweet
大谷さま、皆さま
・太一朗です。いつもありがとうございます。
投稿: 山本太一朗 | 2010年1月24日 (日) 07時40分
山本様
こんにちは
昨日も、たいへんお世話になりました。
特別講師、ありがとうございます。 これからも、どんどんご指導ください。
今日は、みなさん、すがすがしいという感想でした。
お陰さまで、学校になってきました。 思う存分、おやりいただければと思います。
また、最近、特別講師にファンが出来つつあるようです。
こちらに、そういった類のメールなど、 来ております。
今年は、たのしみです。
投稿: 大谷賢司 | 2010年1月24日 (日) 13時30分
・今回の見学先について、ご興味のある方は以下をご参照ください。
①葉っピイ向島園(藤枝市) http://www.mukoujimaen.jp/01shokai/01_enshu1.htm
②城さんの農園(掛川市) 「現代農業」2009.10月号 p.282~
・それから、炭素循環農法で紹介されている「廃菌床(使用済のきのこ栽培培地)」は、畑の育土にとても有効な資材ですが、利用に当たっては留意点があります。
①必ず菌糸が生きている状態で使うこと(死んでしまうと腐敗する)
②そのため通気を確保すること(例えば、土中に深埋めしたり、過湿状態に置いて”窒息させない”こと。土と浅く混ぜたり、表土に数cm厚程で敷くなどの使い方がされています)
詳しくは「炭素循環農法HP」廃菌床の正しい使い方 http://freett.com/tenuki/jissen/kinsyo.html
投稿: 山本 太一朗 | 2010年1月25日 (月) 23時49分
・「炭素循環農法」について、参考サイトを2つご紹介します。
①mixiコミュニティ「炭素循環農法」 http://mixi.jp/view_community.pl?id=4166693
(※mixiには会員登録が必要です。登録方法は、既にmixi会員の方からの「招待」によります)
②「炭素循環農法」実践図書館 http://www.tanjunnou.com/
※城さんが運営されているサイトです。ご自身で各地の実践者を訪問取材されたレポートや、mixi会員でない方のために、mixiと連携した情報発振もなさっています。
投稿: 山本 太一朗 | 2010年1月26日 (火) 07時39分
・太一朗です。度々恐れ入ります。
・当日ご一緒した天明 茂さん(農に学ぶ会計士)から頂戴したレポートを、ご本人の了解を得て転載します。(私の記憶違いも正確に記録して戴いております。。)
(以下転載 その1)-----------------------------------
去る22日、午前中に、山本さん(庭師)、大谷さん(藤原事務所)とともに藤枝市の有機栽培茶園「葉っピイ向島園」を視察してきました。以下に報告させて頂きます。
(順不同ですが) ①園主の向島和詞(かずと)さん(写真③)は25歳。お茶の有機栽培の先駆者であった先代(父親)の急死により18歳でお茶園を継承、7年が経過。全くの素人から始めて、今ではお茶業界に輝く金星。
②先代が無農薬・無化学肥料栽培に取り組んだのは昭和57年。最初の頃は農薬・化学肥料の影響で茶木の生命力が弱くほとんど生産できなかった。やっと以前の収穫量に戻ったのは6年目という。先代が無農薬・無化学肥料でやってきた21年、守り続けてきたものは「お茶の側に立って物事をみること、お茶を自分と同じ生命体として捉えること」だった。この思想は和詞さんにしっかりと受け継がれている。
③茶葉の栽培から自家工場での製品化まで一貫生産。通常、製茶工場は農協の設備を共同で利用するが、向島園では加工上のこだわりから先代は自前で製茶設備に投資した。年に数回しか働かない設備を自前で装備するのは並大抵なことでなかったと推察する。しかも、和詞さんは生産技術を先代から教わることも無かった。億を超える借金を背負って、何も分からない中での継承だった。従業員は和詞さん、お母様、そして作業員2~3名。茶畑(写真①)は6町7反(契約栽培を入れると11~12町歩)。来年からは手が回らないので自分の栽培面積を少し減らすという。
④先代は「お茶の達人」。典型的な職人だったそうで経営には苦労したようだが、和詞さんは「持続していけないとダメなので経営との両立を考えている」と。「葉っぴい」のネーミングやお母様の毛筆を生かしたチラシ・カタログなどに努力がみえる。販売は金額ベースでは卸と小売(ネット含む)と半々。
⑤昨年、異例の速さで「エコサート(ECOCERT:EU)、USDA ORGANIC(NOP=National Organic Program:USA)「海外有機認定」を取得。JAS(日本)を含 めて静岡初のトリプル認証。海外がかなり厳しく、使用する堆肥のトレーサビリティなどに及ぶという。だから「廃菌床」も、「菌床のトレーサビリティがとれない」と使えないと。
⑥お茶の分析では、ポジティブリストも国内で204種類の検査にすべて検出されず、より厳しい海外でのポジティブリストでも検出されず、免疫力を高めるメチル化カテキン、エビガロカテキン、SODなど、通常のお茶では考えられない飛び抜けた数値が検出され、作った本人たちがびっくりしているとか。
⑦先代のお茶は5,000円/100gと最高の評価を得ていたが、和詞さんの茶は、現在3,000/100gまで到達したとか。「ようやく納得のいくお茶ができるようになった」と。「いいお茶ほど入れ方によって、おいしくもなりまずくもなる」と。パンフレットには「お茶の飲み方」を掲載している。
⑧味覚を鋭敏にするために食生活を改善。試行錯誤を繰り返したという。お茶のことだけでなくバックグラウンドも必要と化学を勉強したりした。「お茶の声を聞き、お茶に教えてもらいながら」お客様や母親の厳しい意見にも耳を傾けてきた。その取り組みが評価され、「美味しんぼ」に何度も掲載されたほか、テレビ、新聞、雑誌など、毎月どこかに紹介されている。多くの見学者や研修者も絶えない。余談ながら、味覚のことで言えば、和詞さんは最近、小学校の講演に招かれた折りに給食を頂いたという。その時の感想「味の素を食べているようだった。これでは子供の味覚が育つはずがない」。
⑨意外にも「無農薬は決して難しくない」と言う。「無農薬栽培のカギは?」ときくと、「すべて」と。「当初はいろいろな農法を試し、試行錯誤してきたが、近年、農法ではなく、お茶を生き物とし向き合うことが一番と通感している」と。「畑に頻繁に足を運び、畑の雰囲気や木の表情から‘きげん’を察知し必要な世話をする」「だから投入する肥料もその時々によって変わる」「今の農家はテキストを見ていて木をみていない」と。感性を重視している。
⑩肥料はさまざまなモノを状況に応じて使っている。全体としてみると海3:陸7という。視察の数日前に畝間に散布してあった堆肥は鶏糞をベースにしたもののようだった。
⑪パンフレットやHPには「お茶の収穫状況」が丁寧に書かれている。温暖化の影響によると見られる気象の変化が、お茶の品質や色にどのような変化を与えたか、きちんと説明している。「自然の環境が変わっているのだから品質も変わって当然」。化学肥料や農薬を使えば、あまり変化ないようにできるものの、そうせず、「今の地球環境をしっかりと形にして教えてくれた茶葉からのメッセージ」と受け止め、これを消費者にも伝えていく。
⑫向島園のメッセージは「自然・地球と人間など様々な絆の結び直し、かけ橋を目指しています」。植物と共存しながら究極のお茶づくりをとおして、このメッセージを伝えていくのが自分達の役割と考えている。和詞さんは言う「お茶を作るにも想いが大切。想いがなければタダのモノ」「無農薬でやっているのは、慣行栽培では‘いのち’の循環が切れてしまうから」「農家に限らず、いまの生産者は想いを持っていないひとが多い」と。
⑫栽培は慣行栽培の密植のところもあるが、基本は「一本仕立て」(写真②)。1メートル四方に1本だそうだ。そうするとストレスが減り、根が4メートルほど深く入り健康になるから病虫害にも負けない。密植すると生産性は上がるが木に良くない。太い根周り写真は24~25年もの。挿し木でここまで太くするのは前代未聞とか。普通、20数年経つと更新するが、この木は元気でまだ茶葉を提供してくれる。
⑬茶葉を良く見ると結構、葉が痛んでいるとこもあるので病気について聞くと「病気に罹ってもあまり考えない。何の病気があまりよく知らない」と。病気に一喜一憂することなく、健康な木を育てることに集中しているらしい。「1年草の野菜と違って永年性の樹木は、一度、病気になると3年も4年も引きずってしまうのが恐い」。
⑭化学肥料と農薬を使えば成長は早いが、有機栽培は時間がかかる。慣行栽培なら挿し木してから3~4年で葉を刈ることができるが、有機だと少なくとも7年目から。「幼少時に苦労させると、自分で伸びた経験が生命力を強くする。
⑮「お茶だって大事な命。摘み取ってまずいと言われたのではかわいそう」。だから栽培から加工・販売まで自分の手で行う。「手塩にかけるとお茶がお客さんを呼んでくれる」と。
小生、仙台居た頃、「無農薬のお茶を作ったら」と提案したら、即座に「お茶は農薬なしではできない」と言われた。そんな業界の中で、志をもった親子が「不可能を可能にして」にした。地球環境と健康回復のためにも、この思想が全国に広まっていくことを願うばかりである。
(以上転載 その1終り)---
投稿: 山本 太一朗 | 2010年1月26日 (火) 08時00分
(以下転載 その2)----------------------------
レポート②は「炭素循環農法」、掛川市の城雄二さんの畑です。22日の午後に訪問してきました。城さんは「現代農業」や「野菜だより」に寄稿されたことから、現在、全国から問い合わせが多く、月のうち半分は出張指導や視察受入をされています。今や知る人ぞ知る「たんじゅん農法指導者」です(※本文中の写真は省略)。 城さんは69歳ですが、長岡式炊飯器で玄米ごはんを35年食べ続けているほか、「ありがとうおじさん」の元で2年間、夫婦で修行するなど、すばらしい自然観をもたれていて、私よりずっと若く見えます(写真③)。物理学博士で、大学で教えていたようです。ありがとうおじさんに興味をもったのは、「ありがとうを物理的に究明したかったから」とか。 城さんは10年間、さまざまな無農薬農法をやってきたけど虫の問題だけが解決つかなかった。そして昨年4月、林さんが日本に来られて話を聞いてすぐに炭素循環農法に転換。あっという間に土がホカホカに変わったという、たんじゅん農法の優等生です。 カギは廃菌床と炭素資材を多量に投入したこと。写真②はネギですが、土寄せの代わりに廃菌床を使っています。城さんの言葉を借りると「土寄せが追いつかないほど成長がいい」。冬場でも葉の先まで血液が届いている感じが良く分かります。ネギの右手前は、投入してある炭素資材(枝木)です。こんな大きな資材が無造作に畝間に置かれていますが、これらが半年ほどで分解されてしまうそうです。 何よりすごいのは写真②です。これ、何だか分かりますか? 右が私の手、左は山本さんの手---いや、そんなことはどうでもいいのです。 見てほしいのは白い部分。ネギの根元を手で掘るとキノコの菌糸(糸状菌)がびっしり回っているんです。真っ白で細かな霜柱のようでとてもきれいです。これが土を耕すだけでなく養分を提供してくれるから肥料がいらないのです。林さんによると、この菌糸が4メートル下まで耕してくれるそうです。だから城さんの畑も不耕起です。耕起すると、この菌糸の環境が崩れてしまう(小生、不耕起の意味が始めて分かりました。100聞は1見に如かず)。 城さんの畑は廃菌床を蒔いて1年足らずですが、、どこを掘ってもこのような糸状菌が見られます。稲科の草が生えている堅い土の上に廃菌床を敷いておくと、土がフカフカになって草が楽に抜けるようになります(本当です。簡単に抜けます)。多分、その後は「なずな」などの草に変わっていくのでしょう。 どのくらい投入したかと言うと、1反歩に何と10トンというから半端でない。トラックでトン400円で運んでもらっているそうです(廃菌床が入手できない都会では夢みたいな話)。 城さんは別のところ、田んぼの跡地でも野菜を作っているのですが、水はけが悪く粘土質で固まった土の上に廃菌床を蒔いて見事なニンジンが育っています。まわりの農家から「絶対にできないからやめておけ」と言われた土地だとか。ここも見てきましたが、やはり菌糸が回っていました(写真④)。 ところで、宮城では廃菌床は処理に困っており、いくらでも入手できるようなので試してみたら如何でしょう。
(以上転載 その2終り)---
・尚、本レポートは、天明さんご自身が副理事をお務めの「自然農食みやぎ」(http://snsmiyagi.com/index.htm)の会員向けに配信された見聞録です。 天明さん(「ロハス~」09.11.23に出演)ご自身も「炭素循環農法」を家庭菜園で実践されながら、新しい農の潮流に関する独自の調査・情報発振を精力的になさっておられます。
http://www.tenmyoh.com/ 天明さんHP
ありがとうございました。
投稿: 山本 太一朗 | 2010年1月26日 (火) 08時12分
皆さま
・先のレポート②の記述について、城さんより以下のコメントを頂戴しました。訂正してお詫び致します。
--------------------------------------------- ありがとうございます。
インタネットラジオの内容ですが、指導者とは、間違いで、一実践者、あるいは、一相談役としてください。 先生は、畑、自然、天然が、モットーです。
しろ。
---------------------------------------------
・「先生は自然」本当にそうなのだと思います。私たち、自然から学ぶ側には、畏敬の気持ちと謙虚さが大切ですね。
山本 太一朗
投稿: 山本 太一朗 | 2010年1月27日 (水) 11時04分
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大谷さま、皆さま
・太一朗です。いつもありがとうございます。
投稿: 山本太一朗 | 2010年1月24日 (日) 07時40分
山本様
こんにちは
昨日も、たいへんお世話になりました。
特別講師、ありがとうございます。
これからも、どんどんご指導ください。
今日は、みなさん、すがすがしいという感想でした。
お陰さまで、学校になってきました。
思う存分、おやりいただければと思います。
また、最近、特別講師にファンが出来つつあるようです。
こちらに、そういった類のメールなど、
来ております。
今年は、たのしみです。
投稿: 大谷賢司 | 2010年1月24日 (日) 13時30分
大谷さま、皆さま
・太一朗です。いつもありがとうございます。
・今回の見学先について、ご興味のある方は以下をご参照ください。
①葉っピイ向島園(藤枝市)
http://www.mukoujimaen.jp/01shokai/01_enshu1.htm
②城さんの農園(掛川市)
「現代農業」2009.10月号 p.282~
・それから、炭素循環農法で紹介されている「廃菌床(使用済のきのこ栽培培地)」は、畑の育土にとても有効な資材ですが、利用に当たっては留意点があります。
①必ず菌糸が生きている状態で使うこと(死んでしまうと腐敗する)
②そのため通気を確保すること(例えば、土中に深埋めしたり、過湿状態に置いて”窒息させない”こと。土と浅く混ぜたり、表土に数cm厚程で敷くなどの使い方がされています)
詳しくは「炭素循環農法HP」廃菌床の正しい使い方
http://freett.com/tenuki/jissen/kinsyo.html
投稿: 山本 太一朗 | 2010年1月25日 (月) 23時49分
大谷さま、皆さま
・「炭素循環農法」について、参考サイトを2つご紹介します。
①mixiコミュニティ「炭素循環農法」
http://mixi.jp/view_community.pl?id=4166693
(※mixiには会員登録が必要です。登録方法は、既にmixi会員の方からの「招待」によります)
②「炭素循環農法」実践図書館
http://www.tanjunnou.com/
※城さんが運営されているサイトです。ご自身で各地の実践者を訪問取材されたレポートや、mixi会員でない方のために、mixiと連携した情報発振もなさっています。
投稿: 山本 太一朗 | 2010年1月26日 (火) 07時39分
大谷さま、皆さま
・太一朗です。度々恐れ入ります。
・当日ご一緒した天明 茂さん(農に学ぶ会計士)から頂戴したレポートを、ご本人の了解を得て転載します。(私の記憶違いも正確に記録して戴いております。。)
(以下転載 その1)-----------------------------------
去る22日、午前中に、山本さん(庭師)、大谷さん(藤原事務所)とともに藤枝市の有機栽培茶園「葉っピイ向島園」を視察してきました。以下に報告させて頂きます。
(順不同ですが)
①園主の向島和詞(かずと)さん(写真③)は25歳。お茶の有機栽培の先駆者であった先代(父親)の急死により18歳でお茶園を継承、7年が経過。全くの素人から始めて、今ではお茶業界に輝く金星。
②先代が無農薬・無化学肥料栽培に取り組んだのは昭和57年。最初の頃は農薬・化学肥料の影響で茶木の生命力が弱くほとんど生産できなかった。やっと以前の収穫量に戻ったのは6年目という。先代が無農薬・無化学肥料でやってきた21年、守り続けてきたものは「お茶の側に立って物事をみること、お茶を自分と同じ生命体として捉えること」だった。この思想は和詞さんにしっかりと受け継がれている。
③茶葉の栽培から自家工場での製品化まで一貫生産。通常、製茶工場は農協の設備を共同で利用するが、向島園では加工上のこだわりから先代は自前で製茶設備に投資した。年に数回しか働かない設備を自前で装備するのは並大抵なことでなかったと推察する。しかも、和詞さんは生産技術を先代から教わることも無かった。億を超える借金を背負って、何も分からない中での継承だった。従業員は和詞さん、お母様、そして作業員2~3名。茶畑(写真①)は6町7反(契約栽培を入れると11~12町歩)。来年からは手が回らないので自分の栽培面積を少し減らすという。
④先代は「お茶の達人」。典型的な職人だったそうで経営には苦労したようだが、和詞さんは「持続していけないとダメなので経営との両立を考えている」と。「葉っぴい」のネーミングやお母様の毛筆を生かしたチラシ・カタログなどに努力がみえる。販売は金額ベースでは卸と小売(ネット含む)と半々。
⑤昨年、異例の速さで「エコサート(ECOCERT:EU)、USDA ORGANIC(NOP=National Organic Program:USA)「海外有機認定」を取得。JAS(日本)を含
めて静岡初のトリプル認証。海外がかなり厳しく、使用する堆肥のトレーサビリティなどに及ぶという。だから「廃菌床」も、「菌床のトレーサビリティがとれない」と使えないと。
⑥お茶の分析では、ポジティブリストも国内で204種類の検査にすべて検出されず、より厳しい海外でのポジティブリストでも検出されず、免疫力を高めるメチル化カテキン、エビガロカテキン、SODなど、通常のお茶では考えられない飛び抜けた数値が検出され、作った本人たちがびっくりしているとか。
⑦先代のお茶は5,000円/100gと最高の評価を得ていたが、和詞さんの茶は、現在3,000/100gまで到達したとか。「ようやく納得のいくお茶ができるようになった」と。「いいお茶ほど入れ方によって、おいしくもなりまずくもなる」と。パンフレットには「お茶の飲み方」を掲載している。
⑧味覚を鋭敏にするために食生活を改善。試行錯誤を繰り返したという。お茶のことだけでなくバックグラウンドも必要と化学を勉強したりした。「お茶の声を聞き、お茶に教えてもらいながら」お客様や母親の厳しい意見にも耳を傾けてきた。その取り組みが評価され、「美味しんぼ」に何度も掲載されたほか、テレビ、新聞、雑誌など、毎月どこかに紹介されている。多くの見学者や研修者も絶えない。余談ながら、味覚のことで言えば、和詞さんは最近、小学校の講演に招かれた折りに給食を頂いたという。その時の感想「味の素を食べているようだった。これでは子供の味覚が育つはずがない」。
⑨意外にも「無農薬は決して難しくない」と言う。「無農薬栽培のカギは?」ときくと、「すべて」と。「当初はいろいろな農法を試し、試行錯誤してきたが、近年、農法ではなく、お茶を生き物とし向き合うことが一番と通感している」と。「畑に頻繁に足を運び、畑の雰囲気や木の表情から‘きげん’を察知し必要な世話をする」「だから投入する肥料もその時々によって変わる」「今の農家はテキストを見ていて木をみていない」と。感性を重視している。
⑩肥料はさまざまなモノを状況に応じて使っている。全体としてみると海3:陸7という。視察の数日前に畝間に散布してあった堆肥は鶏糞をベースにしたもののようだった。
⑪パンフレットやHPには「お茶の収穫状況」が丁寧に書かれている。温暖化の影響によると見られる気象の変化が、お茶の品質や色にどのような変化を与えたか、きちんと説明している。「自然の環境が変わっているのだから品質も変わって当然」。化学肥料や農薬を使えば、あまり変化ないようにできるものの、そうせず、「今の地球環境をしっかりと形にして教えてくれた茶葉からのメッセージ」と受け止め、これを消費者にも伝えていく。
⑫向島園のメッセージは「自然・地球と人間など様々な絆の結び直し、かけ橋を目指しています」。植物と共存しながら究極のお茶づくりをとおして、このメッセージを伝えていくのが自分達の役割と考えている。和詞さんは言う「お茶を作るにも想いが大切。想いがなければタダのモノ」「無農薬でやっているのは、慣行栽培では‘いのち’の循環が切れてしまうから」「農家に限らず、いまの生産者は想いを持っていないひとが多い」と。
⑫栽培は慣行栽培の密植のところもあるが、基本は「一本仕立て」(写真②)。1メートル四方に1本だそうだ。そうするとストレスが減り、根が4メートルほど深く入り健康になるから病虫害にも負けない。密植すると生産性は上がるが木に良くない。太い根周り写真は24~25年もの。挿し木でここまで太くするのは前代未聞とか。普通、20数年経つと更新するが、この木は元気でまだ茶葉を提供してくれる。
⑬茶葉を良く見ると結構、葉が痛んでいるとこもあるので病気について聞くと「病気に罹ってもあまり考えない。何の病気があまりよく知らない」と。病気に一喜一憂することなく、健康な木を育てることに集中しているらしい。「1年草の野菜と違って永年性の樹木は、一度、病気になると3年も4年も引きずってしまうのが恐い」。
⑭化学肥料と農薬を使えば成長は早いが、有機栽培は時間がかかる。慣行栽培なら挿し木してから3~4年で葉を刈ることができるが、有機だと少なくとも7年目から。「幼少時に苦労させると、自分で伸びた経験が生命力を強くする。
⑮「お茶だって大事な命。摘み取ってまずいと言われたのではかわいそう」。だから栽培から加工・販売まで自分の手で行う。「手塩にかけるとお茶がお客さんを呼んでくれる」と。
小生、仙台居た頃、「無農薬のお茶を作ったら」と提案したら、即座に「お茶は農薬なしではできない」と言われた。そんな業界の中で、志をもった親子が「不可能を可能にして」にした。地球環境と健康回復のためにも、この思想が全国に広まっていくことを願うばかりである。
(以上転載 その1終り)---
投稿: 山本 太一朗 | 2010年1月26日 (火) 08時00分
(以下転載 その2)----------------------------
レポート②は「炭素循環農法」、掛川市の城雄二さんの畑です。22日の午後に訪問してきました。城さんは「現代農業」や「野菜だより」に寄稿されたことから、現在、全国から問い合わせが多く、月のうち半分は出張指導や視察受入をされています。今や知る人ぞ知る「たんじゅん農法指導者」です(※本文中の写真は省略)。
城さんは69歳ですが、長岡式炊飯器で玄米ごはんを35年食べ続けているほか、「ありがとうおじさん」の元で2年間、夫婦で修行するなど、すばらしい自然観をもたれていて、私よりずっと若く見えます(写真③)。物理学博士で、大学で教えていたようです。ありがとうおじさんに興味をもったのは、「ありがとうを物理的に究明したかったから」とか。
城さんは10年間、さまざまな無農薬農法をやってきたけど虫の問題だけが解決つかなかった。そして昨年4月、林さんが日本に来られて話を聞いてすぐに炭素循環農法に転換。あっという間に土がホカホカに変わったという、たんじゅん農法の優等生です。
カギは廃菌床と炭素資材を多量に投入したこと。写真②はネギですが、土寄せの代わりに廃菌床を使っています。城さんの言葉を借りると「土寄せが追いつかないほど成長がいい」。冬場でも葉の先まで血液が届いている感じが良く分かります。ネギの右手前は、投入してある炭素資材(枝木)です。こんな大きな資材が無造作に畝間に置かれていますが、これらが半年ほどで分解されてしまうそうです。
何よりすごいのは写真②です。これ、何だか分かりますか?
右が私の手、左は山本さんの手---いや、そんなことはどうでもいいのです。
見てほしいのは白い部分。ネギの根元を手で掘るとキノコの菌糸(糸状菌)がびっしり回っているんです。真っ白で細かな霜柱のようでとてもきれいです。これが土を耕すだけでなく養分を提供してくれるから肥料がいらないのです。林さんによると、この菌糸が4メートル下まで耕してくれるそうです。だから城さんの畑も不耕起です。耕起すると、この菌糸の環境が崩れてしまう(小生、不耕起の意味が始めて分かりました。100聞は1見に如かず)。
城さんの畑は廃菌床を蒔いて1年足らずですが、、どこを掘ってもこのような糸状菌が見られます。稲科の草が生えている堅い土の上に廃菌床を敷いておくと、土がフカフカになって草が楽に抜けるようになります(本当です。簡単に抜けます)。多分、その後は「なずな」などの草に変わっていくのでしょう。
どのくらい投入したかと言うと、1反歩に何と10トンというから半端でない。トラックでトン400円で運んでもらっているそうです(廃菌床が入手できない都会では夢みたいな話)。
城さんは別のところ、田んぼの跡地でも野菜を作っているのですが、水はけが悪く粘土質で固まった土の上に廃菌床を蒔いて見事なニンジンが育っています。まわりの農家から「絶対にできないからやめておけ」と言われた土地だとか。ここも見てきましたが、やはり菌糸が回っていました(写真④)。
ところで、宮城では廃菌床は処理に困っており、いくらでも入手できるようなので試してみたら如何でしょう。
(以上転載 その2終り)---
・尚、本レポートは、天明さんご自身が副理事をお務めの「自然農食みやぎ」(http://snsmiyagi.com/index.htm)の会員向けに配信された見聞録です。
天明さん(「ロハス~」09.11.23に出演)ご自身も「炭素循環農法」を家庭菜園で実践されながら、新しい農の潮流に関する独自の調査・情報発振を精力的になさっておられます。
http://www.tenmyoh.com/ 天明さんHP
ありがとうございました。
投稿: 山本 太一朗 | 2010年1月26日 (火) 08時12分
皆さま
・先のレポート②の記述について、城さんより以下のコメントを頂戴しました。訂正してお詫び致します。
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ありがとうございます。
インタネットラジオの内容ですが、指導者とは、間違いで、一実践者、あるいは、一相談役としてください。
先生は、畑、自然、天然が、モットーです。
しろ。
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・「先生は自然」本当にそうなのだと思います。私たち、自然から学ぶ側には、畏敬の気持ちと謙虚さが大切ですね。
山本 太一朗
投稿: 山本 太一朗 | 2010年1月27日 (水) 11時04分